悲しきドラマーあるある
・曲中のテンポが速くなったり遅くなったりすると、すぐ責任を負わされる
・楽曲が盛り上がらないと責任を負わされる
・キーとかコードとか音階の話になると、発言権が地に落ちる
・リズムを語ると「それはリズム隊の仕事」と言われて話が強制終了する
・良かれと思ってアレンジの相談をすると「歌詞、読みました?」って言われる
・なぜそこで!というタイミングでドラムソロを要求される
・盛り上がってきたドラムソロを途中でぶったぎられる
・ダブルカウントの途中で入ってこられる
・ドラムのチューニングはぜんぶ爆音で遮られる
・セッションで「パターンだけ叩いといて」とか扱いがひどい
・そういうことを言う人にかぎって「終わり方が違う」とか言う
涙が止まらないぜ!
きっとドラマーのみんなもそうだと思うぜ……。
でも、今日はこれくらいにしておくぜ。
ちなみに、さまざまな場面で
ドラマーの責任にされることは多いですが、
周りが原因を作っているケースも多いですから、
少しだけ安心してください。(少しだけね)
それについては、あらためて!
自宅の練習環境を整えよう!
今回は、僕の練習環境について語ります。
マンション住まいなので、でっかい音での練習はできませんが、基礎的なことから少し高度なことまで、幅広い練習が可能になります。
ちょっとでも参考になれば幸いです!
というわけで、さっそく
の3点を練習するためのアイテムを紹介します。
あ!その前に!
床には必ず何かを敷いてください。
防音対策ではなくキズと滑り防止なので、ある程度の厚み(5mm以上)があるもので「滑りにくく、ボロくなってもいいもの」にしましょう。
僕はホームセンターで買った薄めのじゅうたんを敷いていますが、タイルカーペットにすればよかった……。(あと何回か言います)
まずは3点を揃えよう!
■バスドラム練習用パッド
・Pearl BD-10
■スネア練習用パッド
・ProLogix 6" Mini Red Storm Pad
・スタンド
・ハイハット専用スタンド
・シンバル(14")✕2枚
1つずつ解説
■バスドラム練習用パッド
・Pearl BD-10
これは、お持ちのキックペダルをセッティングして使います。
キックペダルを持っていない方に向けた、練習用パッドとキックペダルがセットになったものも販売されています。
バスドラム練習用パッドの弱点として「キックペダルを踏み込んだ勢いで、奥のほうにどんどんズレていく」という点が挙げられます。
分厚いゴムマットでも敷いてあれば、BD-10やキックペダルに付いている「ぶっとい針」で固定できるんですが、僕は薄めのじゅうたんしか敷いていないので、針はひっこめて壁際に設置しました。
壁にもキズがつかないように、何重にも折りたたんだタオルを置いて、そこに当てがうようにBD-10を設置。
さらに、BD-10の角度を調整するために、折りたたんだダンボールを奥側に敷きました。
BD-10に付いている「ぶっとい針」を伸ばせばパッドを手前に傾けることができるのですが、床へのダメージが怖いので却下しました。やはり、タイルカーペットにすればよかった。
ちなみに、パッドを手前に傾ける理由は、踏み込んだときの感覚が重かったからです。キックペダル側でどんなに調整しても理想の感覚に近づかなかったため、少し強引にBD-10の奥側を浮かせました。
それが大成功!
さらに、僕の場合「小さい音での練習がメイン」なので、かなり弱めにキックペダルを踏み込んでも「ビーターがパッドに当たった音」がしっかりと聞こえるようにする必要がありました。
それについては、布製のガムテープをパッドに貼り付けたらおしまい。
防音対策としてのウレタン製なのに、わざわざ音が出るものを貼り付ける矛盾サイコー。
■スネア練習用パッド
・ProLogix 6" Mini Red Storm Pad
・スタンド
ラバー製のパッドを、スタンドに設置します。パッドとスタンドには8mm径のネジ穴とネジが必要。
これは、特に改造を加える必要もなく、置くだけで、なんの問題もなく使えています。
唯一、注意点を挙げるとすれば、パッドの叩き方です。かなり極端ですが、基本的にはこのような角度での叩き方を意識してください。
この叩き方はオススメしません。
パッドのフチにスティックの腹の部分が当たると、その衝撃がスタンド先端のネジ部分に集中します。その結果、先端がポッキリ逝っちゃう可能性が高まります。
おそらく、そういった事態を減少させようという観点から「先端が面になっていて、その中心にネジ」という構造のスタンドが増えたのだと思われます。
いま、適当なこと言ってます。
■ハイハット練習用パッド
・TAMA CM14HH
・スタンド
・シンバル(14")✕2枚
ハイハットに関しては必要なアイテムが増えます。
簡単にいうと、スタンドにシンバルを上下1枚ずつ(計2枚)設置して、それをウレタン製のパッドで防音するということになります。
スタンドは「ハイハット専用」のものにしましょう。シンバルを立てるだけのスタンドでは、左足でペダルを操作する練習ができません。
そして、設置するシンバルですが、できれば14"のものを2枚揃えたいところです。
僕が使っているのは、リハーサルスタジオでたまたま見つけた「ちょっとヒビが入った1枚500円のシンバル」です。
多くのリハーサルスタジオでは、ヒビや割れが生じたシンバルは新品に取り替えて、傷んだものをジャンク品として販売しています。
それを狙うのがオススメですが、14"のシンバルはアッという間に売れちゃいます!「かなりレア」なんですよね。
でも、新品のシンバルを買わなくても大丈夫。メルカリにプラスチック製のものがたくさんあります。完全に練習用のものですが、それで十分。
あとは先ほどの写真のように、上側に設置したシンバルに載せるものと、上下のシンバルの間に挟むものの2枚セットで防音。
シンバルの音はどうでもいいんです。左足のペダル操作で上下のシンバルを開閉できれば、それで十分!
注意点としては、バスドラム用の練習用パッドと同じく、踏み込むと奥のほうにズレていくことです。
ハイハット専用スタンドにも「ぶっとい針」が付いているので、分厚いゴムマットなどを敷くなら固定は可能。
僕のように薄めのじゅうたんしか敷かない場合は、ちょっと原始的ですが、こんな工夫をします。
<原始的な工夫>
①長めのヒモを用意します
②椅子の位置とハイハットスタンドの位置を決めます
③ヒモの先端を椅子の脚に結びます
④ヒモのもう片方をハイハットスタンドの脚に結びます
これでハイハットスタンドの徘徊を防げます。
万が一、椅子ごと移動してしまった場合は報告してください。新しい乗り物の誕生です。
まとめ
以上で、3点の練習環境は整います。
追加で、
・シンバルスタンド
・シンバル
・ウレタンパッド
を右側に設置すればライドシンバルの練習も可能!
なんていうふうに、どんどん増えてしまい僕は6点セットでやってます。もっと増やしたいけど場所がない……。
でも思い返してみると、よっぽど奇抜な面白いフレーズでも思いつかない限り、3点での練習しかしてません。
十分なんですよ、3点あれば。それについても詳しく書きたいところですが今回はこれくらいで!
自宅で練習をする必要性
「自宅で練習をする意味ってなんですか」
という疑問に勝手に返事をします。
結論からいうと、
「キレを鋭くするため」
がメインです。
おしまい!
\(^o^)/
ダメか。
では、なぜキレが鋭くなるのか。
(キレが鋭いって日本語あってます?)
理由はですね、
スタジオでは本物のドラムセットで
でっかい音で練習できますけど、
そのぶん音が反響してしまうため
「正確なタイミングで叩けているのか」
を確認することが難しいんです。
それに対して、
自宅で練習する場合は
主に練習用のパッドを使います。
ラバー、メッシュ、ウレタンなど
打面の素材は色々ありますが、
なんでもいいです。
メトロノームに合わせて、
小さな音で叩いてみます。
両手で同時に叩いてみます。
タイミングがズレていれば
すぐにわかります。
はじめはよくわからないかもしれませんが、
自分の出す音をよ〜く聴いてみてください。
そして、そのズレを修正していくことで、
リズムパターンやフィルインのキレが
良くなると思うんです。
おしまい!
と言いそうになりましたが、
疑問を残したまま終わるわけにはいきません。
疑問
>>メトロノームに合わせて、
>>小さな音で叩いてみます。
小さな音ってどれくらいだよ!
回答
スティックの振り上げ幅が10cm以内のときの音。
僕の場合はパッドを使った練習では、
本当に小さい音でしか叩きません。
近ごろはジャズをプレイすることが多いので、
特にその傾向が強くなっています。
小さい音をコントロールするのって、
実は結構難しいんですよね。
だからこそ、
自宅では小さい音の練習に専念する。
同時に叩くことはもちろん、
リズムパターンやフィルインも練習します。
ちっっっさい音で!!!(字面がうるさい)
掘り下げていくと
バカみたいに長くなるので、
このへんで勘弁してください。
次回予告。
「自宅の練習環境を整えよう!」
3点セットの音量バランス
ドラム演奏の大半を占める、バスドラム、スネア、ハイハットの基本3点セットによるリズムパターンですが、各パーツの音量を意識することで、曲の表情をガラッと変えることができます。
例えば、こんなリズムパターン。
皆さんは各パーツをどれくらいの音量で叩いていますか。
●やってみよう!
最大の音量を10として例を挙げてみましょう。
バスドラム7、スネア5、ハイハット3。
これぐらいの音量を目安に叩いてみてください。
あくまでイメージなので、なんとなくで大丈夫です!
・各パーツを同じぐらいの音量で叩いた場合
動画では少しわかりにくいかもしれませんが、ハイハットの音量を抑えるだけでも、ずいぶんと印象が変わったように聞こえませんか?
伸び悩んでいるドラマーに多いのが、リズムパターンを刻む際にハイハットやライドシンバルの音量に気を配れていないケースです。シンバル系は特に聞く人の耳に入りやすく、少し音が大きいだけで途端に聞きづらくなります。
演奏する曲のジャンルにもよりますが、基礎的なパターンを叩くうえで最も重要なのはバスドラムとスネアです。ハイハットやライドシンバルを、自分のタイムキープのためだけに叩いてしまわないように気をつけましょう。
そう簡単にはいかないのがドラムなんですけどね!
「へー、こんなやり方もあるんだね」ぐらいで聞いておいてください。
同時に叩く練習
曲を演奏する際に最も多くの割合を占めるのが、バスドラム、スネア、ハイハット(ライドシンバル)の基本3点セットでの演奏です。そのため色々なリズムパターンを練習することになるわけですが、手足が動けばいいというものではないのがドラムの奥深いところ。
例えば、こんなパターンを叩くとしましょう。
すでに叩けるというドラマーが多いと思いますが、あえて細かく見てみましょう。
●まずは分解してみる
例えば、僕がこのパターンを丁寧に練習するとして、気を遣うのは1拍アタマのバスドラムを踏む動作とハイハットを閉じる動作が重なる箇所です。4拍ウラでオープンしたハイハットを、次の小節の1拍アタマで閉じるのと同時にバスドラムを踏むという動作です。
単純に両足を同時に踏み込めばいいのですが、そのタイミングが少しでもずれると1拍アタマの締まりが悪くなります。そこで、ずれを防ぐためにパターンを分解した限定的な練習をします。
つまり、バスドラムを踏む動作とハイハットを閉じる動作、正確に言えば、バスドラムのアタック音とハイハットを閉じたときに出る音をピタリと揃えることに限定した練習をするわけです。
もちろん、スネアとハイハットを同時に叩く練習も、バスドラムとハイハットを同時に叩く練習も大切です。
●同時に叩く練習
手足をバラバラに動かす練習には多くの時間を割くけれど、同時に叩く練習を意識的にやったことがないというドラマーは意外と多いように感じます。同時に叩けているつもりでも、実は微妙にずれていることが多いんですね。
最初は右足と右手、右足と左手。慣れてきたら右足と両手、両足と右手といったように組み合わせを変えて同時に叩く練習に取り組んでみてください。ゆっくりなテンポ(100前後)で4分音符を叩くだけでもかまいません。
特に、右手でフロアタム+左手でハイハットオープン、閉じると同時に右手(または左手)でハイハットを叩く練習は後回しになりがちなので、あえておすすめします。
人間のやることなので、そこまで神経質にならなくてもいいのかもしれませんが、タイトなプレイを目指すドラマーにはぜひ取り組んでいただきたい課題です。
ドラムを練習する際に意識したいこと
ドラムの役割は、簡単にいうと「リズムを刻むこと」ですが、これがなぜか難しい。
何が難しいって、まず一定のテンポがなかなかキープできないんですよね。ある程度キープできるようになったつもりでも、他の楽器の音が聞こえた途端に、自分のテンポが正しいのか不安になって、一度気になるとハシったりモタったり……。
ひとりでドラムを叩いて楽しんでいるぶんには、それでも問題ないと思いますが(僕も初めはそうでした)、バンドとなると「テンポをキープできない」というのは大きな問題になるんですよね。
まず、メンバーから苦情が出ます。
演奏している曲もなんか変な感じになります。
結局、バンドで演奏することがつまらなくなります。
なんてもったいない!
でも、ちっともできるようにならねえ!
そこで、色々と考えました。
「もう、他の楽器の音を聞くのをやめよう」とか「全然関係ない曲を聞きながら、その曲と違うテンポで基礎練習をやってみよう」とか。
実際に取り組んでみましたが、当然のごとく全部失敗!
あたりまえですね、やり方が極端すぎました。
それからも試行錯誤を繰り返すのですが、前置きが長くなったので、このあたりで僕が取り組んだ練習方法を紹介します。安定したテンポをキープするための準備段階のような練習ですが、少しでもお役に立てば幸いです。
●「1打1打に集中して、一定時間は続ける」
まず、声を大にして言いたいのが「集中して練習する」ということです。インターネット上には練習用の教材が山のように存在し、しかもそれらが無料で手に入るので、上達のためのヒントには困らないと思います。しかし、それらは上手に活用しないと自己満足で終わってしまいます。果たして、どのように活用すればいいのか。
とにかく「1打1打に集中して、一定時間(最低5分)は続ける」ということです。これは、速いテンポでの連打のように、無理をすると体を痛めてしまう可能性のある練習については当てはまりません。そういった練習はしっかりと休みを取りながら行ってください。
「1打1打に集中」するとは、どういうことか。具体的に言うと、「偶然ではなく意識的にその音を鳴らす」ということです。
例を挙げてみます。
僕が自分の練習方法を根本的に見直そうと思ったのは、8分音符を叩くタイミングが安定しないからでした。ハイハットを叩く右手を例にすると、オモテ拍である4分音符のタイミングではしっかりとスティックを振り下ろせているのですが、ウラ拍である8分音符のタイミングでは次の4分音符を意識するあまり動きが適当になっていました。
「↓」の動きが適当だった
それを克服するにあたり、3つの練習に取り組みました。
1つ目は「8分音符を均等に叩く」練習です。ダウンストロークとアップストロークを交互に叩くという流れを繰り返していましたが、すべてを大きめのタップストロークで叩くようにしました。クリック(メトロノーム)を4分音符で鳴らし、8分音符が均等な長さと強さになるまで繰り返します。
2つ目は「アップストロークの練習」です。スティックを振り上げることに意識が偏っていたので、逆に、スティックが打面を叩く瞬間に意識を集中させて練習しました。初めは気絶するほどブサイクな動きでしたが、不思議なもので続けていればそれなりに動くようになるものです。
3つ目は「ウラ拍を強調する」練習です。8分音符のオモテ拍をアップストロークで、ウラ拍をダウンストロークで叩きます。さらに、4分音符で鳴らしたクリックをウラ拍と捉えて、8分音符を叩く方法にも取り組みました。その際に気をつけたのは、オモテ拍のアップストロークがいい加減にならないことです。
以上の3つの練習により、「体を動かす意識」と「叩く意識」が強く連動するようになりました。僕の場合、長年の間違った練習方法によって体におかしなクセがついていたので、それを解消していったというわけです。
僕の場合の間違った練習方法とは、集中できていないのに長時間ボーっと続けることでした。「そのうち体が覚えてくれるだろう」という考えで漠然と練習を続けていた時期は、あまり成長しなかったことをよく覚えています。
このように、「1打1打に集中して、一定時間は続ける」ことを意識することが第一歩です。ストロークが安定してきて、ショットに自信を持つことができれば心に余裕が生まれます。そのうえで、さまざまな練習に取り組むというのが、確実な流れだと思います。
また、人間のタイム感は日々変化します。昨日と今日とで同じテンポが速く感じられたり、遅く感じられたりするものですが、そこに不安を覚える必要はありません。日々の練習によって、その誤差をどんどん小さくすることができます。
僕は練習を始める際に、まずテンポ120でクリックを鳴らします。「120」というテンポが、その日はどのように聞こえる(感じる)かを確認して、自分のコンディションを探るというわけです。
ちなみに、テンポ60は1秒の長さと同じです。その倍にあたる120は0.5秒です。つまり、テンポ120の4分音符を2つ数えると1秒です。これは何かの役に立ちそうだ!
おわり。
自己紹介
はじめまして!
35年のドラム歴を生かし、ドラムに対する考え方や技術をお伝えすることを目的にブログを始めました。悩んでいるドラマーに向けて、わかりやすい記事をお届けします!
過去に故・川口一紀氏、大坂昌彦氏、山田達也氏に師事し、ポップスやソウル、ファンク、ジャズ、ゴスペルなど、さまざまなアーティストのサポートをしました。特に歌もののバックで演奏する機会が多く、ボーカルを際立たせることが得意です。
また、ダイナミクスの幅を広げるための練習方法や、体に負担のない演奏法、譜面の読み方についてのアドバイスなども行っています。
現在は本業の合間にジャズやファンク系セッションのホストを務め、所属バンドでは年に数回ライブに出演しています。時間の融通が利く仕事なので、都内でのドラムレッスンの生徒さんも募集中です。「お問い合わせ」から気軽に連絡してください。
よろしくお願いいたします!