IKDrums ドラムを語る!

ひたすらドラムを語るブログです

ドラムを練習する際に意識したいこと

ドラムの役割は、簡単にいうと「リズムを刻むこと」ですが、これがなぜか難しい。

何が難しいって、まず一定のテンポがなかなかキープできないんですよね。ある程度キープできるようになったつもりでも、他の楽器の音が聞こえた途端に、自分のテンポが正しいのか不安になって、一度気になるとハシったりモタったり……。

ひとりでドラムを叩いて楽しんでいるぶんには、それでも問題ないと思いますが(僕も初めはそうでした)、バンドとなると「テンポをキープできない」というのは大きな問題になるんですよね。

まず、メンバーから苦情が出ます。
演奏している曲もなんか変な感じになります。
結局、バンドで演奏することがつまらなくなります。

なんてもったいない!
でも、ちっともできるようにならねえ!

そこで、色々と考えました。

「もう、他の楽器の音を聞くのをやめよう」とか「全然関係ない曲を聞きながら、その曲と違うテンポで基礎練習をやってみよう」とか。

実際に取り組んでみましたが、当然のごとく全部失敗!
あたりまえですね、やり方が極端すぎました。

それからも試行錯誤を繰り返すのですが、前置きが長くなったので、このあたりで僕が取り組んだ練習方法を紹介します。安定したテンポをキープするための準備段階のような練習ですが、少しでもお役に立てば幸いです。



●「1打1打に集中して、一定時間は続ける」

まず、声を大にして言いたいのが「集中して練習する」ということです。インターネット上には練習用の教材が山のように存在し、しかもそれらが無料で手に入るので、上達のためのヒントには困らないと思います。しかし、それらは上手に活用しないと自己満足で終わってしまいます。果たして、どのように活用すればいいのか。

とにかく「1打1打に集中して、一定時間(最低5分)は続ける」ということです。これは、速いテンポでの連打のように、無理をすると体を痛めてしまう可能性のある練習については当てはまりません。そういった練習はしっかりと休みを取りながら行ってください。

「1打1打に集中」するとは、どういうことか。具体的に言うと、「偶然ではなく意識的にその音を鳴らす」ということです。

例を挙げてみます。

僕が自分の練習方法を根本的に見直そうと思ったのは、8分音符を叩くタイミングが安定しないからでした。ハイハットを叩く右手を例にすると、オモテ拍である4分音符のタイミングではしっかりとスティックを振り下ろせているのですが、ウラ拍である8分音符のタイミングでは次の4分音符を意識するあまり動きが適当になっていました。


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「↓」の動きが適当だった


それを克服するにあたり、3つの練習に取り組みました。

1つ目は「8分音符を均等に叩く」練習です。ダウンストロークとアップストロークを交互に叩くという流れを繰り返していましたが、すべてを大きめのタップストロークで叩くようにしました。クリック(メトロノーム)を4分音符で鳴らし、8分音符が均等な長さと強さになるまで繰り返します。

2つ目は「アップストロークの練習」です。スティックを振り上げることに意識が偏っていたので、逆に、スティックが打面を叩く瞬間に意識を集中させて練習しました。初めは気絶するほどブサイクな動きでしたが、不思議なもので続けていればそれなりに動くようになるものです。

3つ目は「ウラ拍を強調する」練習です。8分音符のオモテ拍をアップストロークで、ウラ拍をダウンストロークで叩きます。さらに、4分音符で鳴らしたクリックをウラ拍と捉えて、8分音符を叩く方法にも取り組みました。その際に気をつけたのは、オモテ拍のアップストロークがいい加減にならないことです。

以上の3つの練習により、「体を動かす意識」と「叩く意識」が強く連動するようになりました。僕の場合、長年の間違った練習方法によって体におかしなクセがついていたので、それを解消していったというわけです。

僕の場合の間違った練習方法とは、集中できていないのに長時間ボーっと続けることでした。「そのうち体が覚えてくれるだろう」という考えで漠然と練習を続けていた時期は、あまり成長しなかったことをよく覚えています。



このように、「1打1打に集中して、一定時間は続ける」ことを意識することが第一歩です。ストロークが安定してきて、ショットに自信を持つことができれば心に余裕が生まれます。そのうえで、さまざまな練習に取り組むというのが、確実な流れだと思います。

また、人間のタイム感は日々変化します。昨日と今日とで同じテンポが速く感じられたり、遅く感じられたりするものですが、そこに不安を覚える必要はありません。日々の練習によって、その誤差をどんどん小さくすることができます。

僕は練習を始める際に、まずテンポ120でクリックを鳴らします。「120」というテンポが、その日はどのように聞こえる(感じる)かを確認して、自分のコンディションを探るというわけです。

ちなみに、テンポ60は1秒の長さと同じです。その倍にあたる120は0.5秒です。つまり、テンポ120の4分音符を2つ数えると1秒です。これは何かの役に立ちそうだ!



おわり。